2010年10月13日

10月1日、第18回喜多見で沖縄語を話す会

10月1日に第18回がありました。でも日高さんが風邪をひき、冨久さんは用事ができてお休み、などなど。

結局、花田さんと高山正樹氏とわたし宇夫方の3名で、さびしい、じゃなくて贅沢な勉強会でした。

皆さんがお休みの間に、あんまり進んでしまうと他の人たちがかわいそうだから、ゆっくり行きましょう。

今日の勉強は「疑問詞をともなわない疑問文」
「~み」 の勉強です。

・書ちゅん(書く) → 書ちゅみ(書くか)
・読むん(読む) → 読むみ(読むか)

例文です。40歳の太郎さんが、25歳の桃子さんを居酒屋に誘います。

太郎「あい。桃子さん。あんし見ー遠(とぅー)さる。歩(あっ)ちゅ。」
桃子「うー。うんじゅん御歩(あー)ちみしぇーびー。」
太郎「いー。ビール飲(ぬ)みーが行ちゅ。」
桃子「うーうーうー。今日(ちゅー)や残業ぬあいびーくとぅ、御無礼(ぐびりー)さびーん。」

「あんしみーとぅーさる」は「なんとひさしぶり」みたいな意味です。
「うーうーうー」は目上の人に対してお断りをする時の表現です。イントネーションは最初の「うー」が普通の高さ、2番目が高く、最後の「うー」が低い。そしてどの「うー」も声門破裂音ではありません。
日本語の場合、「あ」「い」「う」「え」「お」をそれぞれ単独で発声すると、自然に声門破裂音になっています。語中で使われる場合は逆にたいてい破裂していません。だから難しいのは最初の「うー」。でも私たちには、声門破裂音とそうでない音の区別が良くわからないのです。

沖縄語では破裂するかしないかで、意味が違ってしまうので、はっきりと言い分けなければいけません。慣れていない私は、言葉の頭に破裂しない音がくると、体中の力を抜かないと発音できません。

これについて高山正樹氏(富久さんは助教授と呼びます)が色々と研究していますので、こちらをご覧下さい。

 ⇒map after 5 “声門破裂音”のカテゴリ記事

ともかく、「うーうーうー」と書いてしまっては破裂するのかしないのか、沖縄語を知らない人には全く判断できません。
こんなときこそ、船津好明さんが考案された沖縄文字が非常に役に立ちます。
実は私たちはいつもこの沖縄文字を使って勉強をしているのですが、ブログにはこの文字が使えないので、一番近い音で「うーうーうー」と書くしかないのです。

船津さんの沖縄文字の本「沖縄口(うちなーぐち)さびら」が、まもなく琉球新報社から出版されることになりました。
20年前に出版され、その後絶版になっていたものが、再販されるのです。校正にかなり時間を要したため、予定よりかなり遅れていましたが、まもなく、今月半ばには刊行される予定です。
10月1日、第18回喜多見で沖縄語を話す会

これを使って、正しい沖縄語の発音を勉強しましょう!
詳しくはmapのサイトからどうぞ
 ⇒沖縄口さびら

というわけで、本の宣伝になってしまいましたが、9時までしっかり勉強してから、例文通り皆さんを居酒屋に誘ったのですが、花田さん「うーうーうー」、國吉先生「いーいーいー(同僚または年下の人に断りを言う場合、やっぱり破裂しません)」。同意の場合は、元気よく声門を破裂させながら、「うー」とか「いー」とか言いましょう。
高山正樹氏「いー!」ニコニコ

 ⇒第19回の記事へ



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Posted by はいさい狛江 at 00:25│Comments(1)活動報告
この記事へのコメント
「いー!」と言った高山正樹です。
宇夫方路さんが書いた記事ですか、ちょっと説明を増やしてみました。

というわけで、皆様、もう1回読み直してみてくださいね。

この後の居酒屋のことは下記URLへ。
http://lince.jp/hito/kitami/genentori.html
Posted by はいさい狛江はいさい狛江 at 2010年10月13日 09:49
 
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